親知らず抜歯を迷うあなたへ|抜く・抜かないの判断基準と後悔しない選択法

【執筆・監修】中谷 逸希

ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

こんにちは。ふたまたがわ歯科口腔外科 院長の中谷逸希です。

あなたは今、「親知らずを抜くべきか、それとも抜かなくても大丈夫なのか」と迷っていませんか?

実際に多くの患者さまが同じような悩みを抱えて来院されます。痛みや腫れへの不安、手術への抵抗感、将来的な影響など、判断に迷うのは当然のことです。

特に親知らずに関する情報はインターネット上でも様々で、「抜いたほうが良い」「抜かなくても問題ない」といった意見が交錯しています。どれが自分に当てはまるのか判断がつかず、相談できる専門家も身近にいない……。そんな状況で悩まれている方がとても多いのが現状です。

この記事では、歯科口腔外科医として数万本の抜歯実績がある私の経験をもとに、親知らずを「抜く」「抜かない」を判断するための基準や注意点、そして後悔しない選択のヒントをわかりやすくお伝えしていきます。

「この情報をもっと早く知っていれば、あんなに悩まずに済んだのに」——そんなふうに思っていただけるよう、できる限り丁寧に、あなたの不安に寄り添ってお話ししていきます。

親知らず抜歯に迷う方へ|判断に役立つ基礎知識と悩みの傾向

親知らずとは?生える位置や頻度、その影響について

親知らず(第三大臼歯)は、一般的に17歳から25歳ごろに最後に生えてくる永久歯です。上下左右4本ありますが、必ずしもすべての人に生えるわけではありません。また、完全に生えてこない「埋伏歯」として骨の中にとどまる場合もあります。

位置的には一番奥にあるため、歯ブラシが届きづらく、虫歯や歯周病のリスクが高くなりがちです。また、斜めに生えてきたり、他の歯を押すように生えることもあり、歯並びに悪影響を及ぼす可能性もあるといわれています。

親知らず抜歯が勧められる主な理由とリスク

以下のような理由で、親知らずの抜歯が推奨されることが多いです:

  • 虫歯や歯周病のリスクが高い(磨きにくいため)
  • 歯ぐきの腫れや炎症(智歯周囲炎)を繰り返す
  • 痛みや違和感がある
  • 周囲の歯を圧迫して歯列を乱す可能性がある

特に埋伏歯は気づかないうちに歯根が隣接歯を押してダメージを与えることもあり、早めの対処が重要です。一方で、抜歯には腫れ・痛み・神経損傷などのリスクがあるため、総合的な診断が必要です。

40代で親知らず抜歯を検討する場合の注意点と危険性

40代以上になると親知らず周囲の骨が硬くなり、20代に比べて抜歯の難易度や術後の治癒期間が長くなる傾向にあります。また、慢性的な炎症が進行し、親知らずが周りの骨と癒着していたりするケースも多くなり、神経へのダメージリスクなども高くなります。そのため、より詳細な事前診断と、熟練した口腔外科医によって抜歯することをおすすめします。

抜歯する・しないの判断基準|後悔しないためのポイント

親知らず抜歯が必要とされる症状・診断基準

以下のような症状や所見がある場合、抜歯を検討する必要があります:

  • 腫れ・痛みを繰り返す
  • 歯ぐきに膿が溜まる
  • 隣の歯の虫歯や歯周病の原因になっている
  • 親知らずの周りにできものを形成している
  • 歯列矯正前に歯の移動を妨げる位置にある

抜かなくても良いケースと歯並び・症状への影響

一方で、以下の条件を満たす場合は抜歯を急ぐ必要はないと判断されることもあります:

  • 完全にまっすぐ生えていて噛み合っている
  • 虫歯や炎症がなく清掃状態も良好
  • 今後のインプラントやブリッジのために保存しておきたい

ただし「今は問題ない」状態でも、将来的にリスクが高まることがあるため、定期的な観察が重要です。

口腔外科や歯科医師による診査・説明の重要性

レントゲンやCTによる正確な診断と、リスクやメリット・デメリットの十分な説明を受けたうえで、最終判断を下すことが大切です。当院では、口腔外科の認定医が画像診断をもとに、丁寧な説明と選択肢の提示を行っています。「ただ抜く」のではなく、納得のいく選択をしていただけることを重視しています。

親知らず抜歯の費用・保険適用とクリニック選びの注意点

親知らず抜歯費用の相場と保険適用の条件

親知らずの抜歯には健康保険が適用されるため、自己負担額を抑えることができます。

たとえば、簡単な抜歯であれば、3割負担の方でおおよそ1,000〜3,000円程度。骨を削るような難しいケース(埋伏歯)では、5,000〜7,000円ほどが目安です。

また、必要に応じてCT撮影(3割負担で3,000〜5,000円程度)を行うことがあります。鎮静法については、笑気麻酔は保険が適用されますが、リラックスして処置を受けられる「静脈内鎮静法」は保険適用外となり、抜歯費用も含めて合計で約10万円程度がかかるケースもあります。

当院では、他の歯科医院や医療機関からのご紹介がある場合、基本的に初診当日に抜歯が可能です。初診料、レントゲン・CTなどの画像診断、抜歯などを含めたトータルの費用は、3割負担の方であればおおよそ1万円程度を目安としていただければと思います。

なお、保険診療の料金は全国一律ですが、親知らずの生え方や難易度によって金額は前後します。事前に「どれくらい費用がかかるのか」という説明をしっかり受けることも、安心して治療を受けるうえで大切です。

大学病院・専門外来・地域クリニックの違いと選び方

大学病院や総合病院の口腔外科では高難度の症例や全身管理が必要な方にも対応できますが、一般的には予約が取りづらく、診療までの待ち時間が長くなる傾向があります。

一方、地域の口腔外科クリニックでは、通いやすさや柔軟な対応、きめ細かなフォローが受けられる点がメリットです。当院では、専門性とアクセス性のバランスを大切にし、必要に応じて大学病院や総合病院との連携を行っています。

医師・医院の説明力や患者への配慮の比較

親知らずの抜歯は、一方的に処置を進めるのではなく、患者様の理解と納得があってこそ安全に進められるものです。当院では、術前に丁寧な説明を実施し、患者様の不安をしっかりと解消するよう努めています。

抜歯後の痛み・腫れ・生活への影響とアフターケア

抜歯後に起きやすい症状とその対応法

術後に腫れ、痛み、出血が起こることは珍しくありません。特に下顎の埋伏歯では腫れや痛みが強く出る傾向があります。

出血は当日は唾液に血が混ざる程度は問題ありませんが、口腔内に溢れるくらいの出血があるようであれば止血をしなければならないこともありすので連絡が必要です。

多くの場合、術後2〜3日目がピークで、それ以降は徐々に回復していきます。当院では手術時間の短縮に努め、鎮痛剤や抗生剤の処方、清掃の指導を行い、症状を最小限に抑える工夫をしています。

翌日以降の仕事・食事・日常生活の注意点

抜歯の翌日でもデスクワークなど一般的な仕事であれば復帰可能な方がほとんどですが、肉体労働やプロスポーツ選手など体を激しく使うような業務がある方は血流が良くなることにより痛みや腫れがコントロールできなくなることがありますので2〜3日デスクワークに変えるなどの安静を確保しておくと安心です。

食事は抜歯当日〜2日程度は、刺激の少ない軟らかいものを選ぶようにしてください。飲酒・激しい運動は数日間避けることをおすすめします。

喫煙は血流を障害し抜歯後の治りが悪くなりますので、可能であれば禁煙をお勧めします。

術後の服用薬や生体の治癒期間・抜糸までの流れ

処方された薬は必ず指示どおりに服用し、異常があればすぐに受診してください。抜糸は1〜2週間前後、完全治癒には個人差がありますが、おおむね1〜2週間程度で落ち着きます。

他院や勤務医で抜歯した場合のフォロー・相談先

他院で抜歯を受けた場合でも、術後の腫れや違和感、不安がある場合は遠慮なくご相談ください。当院では救急患者様も受け付けております。

まとめ|親知らず抜歯で後悔しない選択のために

安心・安全な抜歯のために大切なポイント

  • CT検査による正確な診断
  • 難症例に対応可能な歯科口腔外科認定医による施術
  • 笑気や静脈内鎮静法などの選択肢による不安軽減
  • 丁寧な説明と患者目線の配慮

これらが揃っていれば、親知らずの抜歯は決して怖いものではありません。自己判断で放置することの方が、将来的なリスクになることもあります。

迷った時に相談すべきクリニック・口腔外科の活用法

「本当に抜くべきなのか」「このまま様子を見ていいのか」など、判断に迷ったときは、抜歯のプロである口腔外科医に相談するのが最も安心・安全です。

ふたまたがわ歯科口腔外科では、初診から画像検査・治療・アフターケアまで一貫して対応しております。あなたの不安や疑問に丁寧にお答えし、最善の選択を一緒に考えていきます。

親知らずについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事が、あなたの健康と安心の一助となれば幸いです。

ふたまたがわ歯科口腔外科 院長略歴

ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

中谷 逸希 hayaki nakatani

略歴

・ 2006年 鶴見大学歯学部 卒業
・ 2006年 横浜労災病院 歯科口腔外科
・ 2007年 鶴見大学 口腔顎顔面外科学講座
・ 2010年 長野松代総合病院 歯科口腔外科
・ 2012年 横浜総合病院 歯科口腔外科
・ 2014年 横浜労災病院 歯科口腔外科 医長
・ 2016年 湘南東部総合病院 歯科口腔外科
・ 2018年 ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

資格

・ 社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
・ 社団法人 日本口腔診断学会 認定医
・ 厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医
・ 国立がん研究センター がん医科歯科連携医
・ BLS/ICLS/ACLS ヘルスケアプロバイダー
・ 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト

所属学会

・ 日本口腔外科学会
・ 日本口腔インプラント学会
・ 日本口腔診断学会
・ 日本有病者歯科学会
・ 日本学校歯科医会

ふたまたがわ歯科口腔外科では最新の医療機器を完備

マイクロスコープ

当院では、あらゆる歯科診療にとって進化したといわれるドイツ・カールツァイス製『歯科用手術顕微鏡』を導入しています。マイクロスコープを使用することで歯根端切除などの手術をはじめとした一つ一つの基本的な治療から、より高い精度の診療に対して優位な視覚と治療効果をもたらすことが可能となりました。

CT

純国産メーカーのCTを導入しています。座位で撮影することによりブレが少なく、より精度の高い画像を撮影することが可能です。また、撮影範囲を広範囲に設定することできるため、口腔外科疾患のみならず、レントゲンだけでは見つけることが難しい小さな病変まで診断することができます。

個室完備

インプラントなどの小手術を行うため、クリーンな個室を完備しています。個室には生体モニターも完備しており、静脈内鎮静法を併用した治療も行います。プライバシーに配慮することで安心して治療することができます。

拡大鏡

拡大鏡(ルーペ)を使用する事で質の高い治療がより容易になります。裸眼に比べて細かい部分まではっきりと目視できるため、疾患を早期に発見することが可能です。当院ではマイクロスコープと同じカール・ツァイス社製の高解像度ルーペを主に使用しクリアな拡大視野を確保しています。

ダイアグノデントペン

これまで数値で虫歯の進行状況などを診査・診断するシステムは確立されていませんでした。『ダイアグノデント ペン』は虫歯に含まれる代謝産物を読み取り数値化します。低出力のレーザー光を照射するだけなので、痛みもなく、小さなお子様や妊婦の方にも安心してご使用いただけます。”見つけてすぐに削る治療”から”進行状況に合わせて適切な管理をする治療” を行うことができます。

印象材自動練和機

印象材自動練和器を使用することで、安定した練和ができ、気泡が少なく均一な練和が可能です。再印象・再製のリスク、補綴物の調整リスクが低減し、品質が安定化できます。当院では2台ある自動練和機を症例により使い分けて使用しています。

オステルビーコン

インプラント体の安定性を非接触で測定できる装置です。磁気パルスによって安定性をISQ値(インプラント安定指数)という数値で評価することができるため、インプラントの荷重時期を客観的に計画することが可能です。

口腔水分計

口腔乾燥症(ドライマウス)や口腔機能低下症に伴う唾液の分泌低下に注目した診査、診断機器です。舌に約2秒触れるだけで簡便に数値化することができるため客観的に口腔乾燥を判断できます。

ふたまたがわ歯科口腔外科の感染対策

マイクロスコープ

当院では、あらゆる歯科診療にとって進化したといわれるドイツ・カールツァイス製『歯科用手術顕微鏡』を導入しています。マイクロスコープを使用することで歯根端切除などの手術をはじめとした一つ一つの基本的な治療から、より高い精度の診療に対して優位な視覚と治療効果をもたらすことが可能となりました。

高圧蒸気滅菌器

当院では、最新式フルオートの高機能滅菌器を導入しております。数種類の滅菌モードを搭載しているため高温に耐えられないような器具まで幅広い滅菌が可能です。高圧蒸気滅菌器をはじめとし、感染対策における環境を整備し、安心・安全な診療を行っています。

ハンドピース専用洗浄機・滅菌器

日々の診療に不可欠なハンドピース専用の自動洗浄・注油システムと個別滅菌器を完備しています。適正な洗浄プログラムと注油により、内部の汚れや摩耗粉を効果的に取り除くことが可能です。さらに専用滅菌器を使用することによって、より効果の高い滅菌を行うことができます。

ウォッシャーディスインフェクター

歯科診療で使用する器具は鋭利なものが多く、使用後には血液やたんぱくなどが付着しています。器具を確実に消毒、滅菌するためには、あらかじめ十分な洗浄が必要です。しかし、手洗いの場合、常に安定した洗浄力を確保することが難しいため、洗浄機の使用が求められます。当院では、医療用全自動洗浄機を導入しており、より確実な洗浄を実践しています。

ウルトラファインバブル水

世界初の技術で1ccに5000万個以上のナノバブルを発生させる装置を設置しました。国内最新テクノロジーとして、環境・農業・食品・水産・美容・医療などさまざまな分野で応用され注目を集めています。医療分野では人工透析センターなどでの導入が始まっています。当院の水はユニットを含む全ての水がウルトラファインバブル水となっており清潔な治療環境を提供しています。

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ふたまたがわ歯科口腔外科【本院】

ご予約・お問い合わせ

診療時間

日・祝
午前
午後

【月〜土】09:00 – 13:00/14:00 – 18:00
【日・祝】休診日

アクセス

〒241-0821 神奈川県横浜市旭区二俣川2丁目50−14 コプレ7-B

相鉄線 二俣川駅直結 ジョイナステラス・コプレ二俣川7階

電車でお越しの場合

改札出て左の南口方面へ

ジョイナステラスに入らず左へ

パン屋さんを通過して横浜銀行まで進む

横浜銀行の手前を右に入る

薬局までまっすぐ進む

薬局の前を右

コプレの入口を真っ直ぐ進む

エレベーターで7階へ

7階を降りたら右手に進む

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〒241-0821 横浜市旭区二俣川1-5-5 二俣川北口第二ビル6階

相鉄線 二俣川駅北口徒歩1分

電車でお越しの場合

改札出て右の北口方面へ

突き当たりを左へ

ファミリーマートの横を進んでください

歩道橋を渡ります

右へ進みます

階段を降りたら左へ

薬局の奥まで進みます

奥にエレベーターがありますので6階まで上がってきてください

ビル全体像です

【執筆・監修】

院長 中谷逸希

ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

中谷 逸希 hayaki nakatani

略歴

  • 2006年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 2006年 横浜労災病院 歯科口腔外科
  • 2007年 鶴見大学 口腔顎顔面外科学講座
  • 2010年 長野松代総合病院 歯科口腔外科
  • 2012年 横浜総合病院 歯科口腔外科
  • 2014年 横浜労災病院 歯科口腔外科 医長
  • 2016年 湘南東部総合病院 歯科口腔外科
  • 2018年 ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

資格

  • 社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
  • 社団法人 日本口腔診断学会 認定医
  • 厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医
  • 国立がん研究センター がん医科歯科連携医
  • BLS/ICLS/ACLS ヘルスケアプロバイダー
  • 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト

所属学会

  • 日本口腔外科学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本口腔診断学会
  • 日本有病者歯科医療学会
  • 日本学校歯科医会

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