
【執筆・監修】中谷 逸希
ふたまたがわ歯科口腔外科 院長

【執筆・監修】新谷 元康
ふたまたがわ歯科口腔外科 副院長
歯科医師
社)日本補綴歯科学会 認定医
先に結論
いびきに無呼吸、強い日中の眠気、起床時の頭痛などが伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の検査が必要です。歯科のマウスピース治療は、診断と適応判断を経て行います。
「家族から、いびきがうるさいと言われた」「朝起きても疲れが残る」「日中に眠くなる」。こうした症状は、単なる音の問題ではなく、睡眠中に気道が狭くなっているサインかもしれません。
この記事では、いびきの原因、受診の目安、歯科で行う口腔内装置(マウスピース)治療、保険診療と自費診療の違いを、研究・診療ガイドラインに基づいて分かりやすく解説します。
目次
いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

いびきは、睡眠中に狭くなった上気道を空気が通るとき、軟口蓋や舌の周囲が振動して生じます。肥満、下顎が小さい・後退している、鼻づまり、飲酒、加齢、仰向け寝など、複数の要因が重なることもあります。
特に注意したいのが閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS)です。睡眠中に気道が繰り返し塞がることで、睡眠の分断や低酸素が生じます。いびきだけでOSASの有無や重症度を判断することはできないため、疑わしい場合は医科で睡眠検査を受けることが重要です。
早めに受診したい症状
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
- 大きないびきが止まった後、あえぐように呼吸を再開する
- 日中の眠気が強い、運転中に眠くなる
- 起床時の頭痛、口の渇き、熟睡感のなさがある
- 夜間に何度も目が覚める、夜間頻尿がある
- 高血圧、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などを指摘されている
緊急性の目安
運転中に眠気が出る方、呼吸停止を繰り返す方、息苦しさで目覚める方は、運転を控え、早めに睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科などへ相談してください。
歯科で行うマウスピース治療とは

歯科で用いる口腔内装置は、下顎を前方に保持して舌の沈下を抑え、気道を広げる治療です。「スリープスプリント」「下顎前方移動型装置」「MAD」などとも呼ばれます。
AASM・AADSMの診療ガイドラインは、OSASに口腔内装置を用いる場合、非個別製作の市販品より、歯科医師が作る個別製作・調整可能な装置を推奨しています。また、装着後の歯科的フォローと、睡眠検査による効果確認も推奨しています[1]。
どのような方が対象になる?
- 原発性いびきと医師に判断された方
- 軽症~中等症のOSASで、医師が口腔内装置を適切と判断した方
- CPAPを継続できない、または代替療法を希望し、医師が適応と判断した方
- 装置を安定させるための歯があり、歯周病や顎関節の状態に大きな問題がない方
重症OSASではCPAPが優先されることがあります。治療法は無呼吸低呼吸指数(AHI)だけでなく、症状、低酸素の程度、合併症、口腔内の状態、本人の希望を踏まえて決定します。
保険マウスピースと自費マウスピースの違い
当院では、保険診療と自費診療で異なる設計の装置を扱います。以下は当院採用装置の比較です。すべての医療機関・製品に一律に当てはまる分類ではありません。
| 比較項目 | 保険マウスピース | 自費マウスピース |
|---|---|---|
| 構造 | 上下一体型(モノブロック) | 上下分離型(当院採用の調整式タイプ) |
| 顎の動き | 上下が固定され、開口しにくい | 装置を着けたまま開口でき、側方運動・歯ぎしり様の動きにも対応 |
| 調整 | 作製時の下顎位置が基本 | 下顎の前方位置を段階的に調整可能 |
| 主な利点 | 構造が比較的シンプル | 快適性や微調整の自由度を重視できる |
| 注意点 | 開口できないことへの慣れが必要 | 開口により下顎位置が後退し、患者さんによって治療効果に影響する可能性がある |
| 保険条件 | 医科から口腔内装置治療の依頼・診療情報提供が必要 | 保険外。費用・装置仕様は事前に説明 |
「上下分離型の方が必ず効く」とは限りません
上下分離型(bibloc)と上下一体型(monobloc)を比べた無作為化比較試験では、短期のAHI改善効果と有害事象は同程度でした[2]。一方、上下分離型は下顎位置を調整しやすく、開口や側方運動を許容する設計があります。患者さんによっては装着感の利点になります。
ただし、睡眠中の開口を抑えた方が呼吸イベントの改善につながる患者さんもいることが、近年の試験で示されています[3]。そのため、構造だけで優劣を決めず、症状、検査結果、顎関節、歯ぎしり、装着感を確認しながら選択・調整します。
保険適用を受けるために必要なこと

厚生労働省の診療報酬上、睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置を保険で作製するには、睡眠時無呼吸症候群を診断・治療する医科医療機関から、歯科への口腔内装置治療の依頼と診療情報提供が必要です[4]。
- 睡眠外来、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などで診察・睡眠検査を受ける
- 医師から口腔内装置治療の適応判断と診療情報提供を受ける
- 歯科でむし歯・歯周病・顎関節・歯の本数や動揺を確認する
- 型取り・噛み合わせの記録を行い、装置を作製する
- 装着後に調整し、必要に応じて睡眠検査で効果を確認する
「いびきがある」という理由だけで、直ちに保険適用になるわけではありません。診断、紹介文書、治療上の必要性を確認します。費用は診療報酬改定、検査内容、負担割合などで変わるため、受診時に最新の金額をご案内します。
治療前に確認すること・副作用
口腔内装置は有効な選択肢ですが、すべての方に使えるわけではありません。装着前に歯や歯周組織、顎関節、噛み合わせを確認します。使用初期には、唾液の増減、歯や顎の違和感、起床時の噛み合わせの変化などが起こることがあります。長期使用では歯の移動や咬合変化が生じる可能性があるため、定期的な歯科受診が大切です[1]。
- 強い痛み、歯の動揺、顎関節痛が出たら使用を中止して相談する
- 自己判断で下顎の前方量を大きくしない
- 装置が破損・変形したまま使わない
- 「いびきが減った」だけで治療成功と判断せず、必要に応じて睡眠検査で確認する
日常生活でできるいびき対策
- 体重過多がある場合は、医師と相談しながら減量に取り組む
- 就寝前の飲酒を控える
- 横向き寝を試す
- 鼻づまりが続く場合は耳鼻咽喉科に相談する
- 睡眠不足を避け、規則的な睡眠時間を確保する
- 睡眠薬・鎮静薬を使用している場合は、自己中断せず処方医に相談する
生活習慣の改善だけでOSASを自己治療することはできません。無呼吸や強い眠気がある場合は、検査と医学的な評価を優先してください。
よくある質問
自費マウスピースなら口を開けられますか?
当院採用の自費装置は上下分離型で、装着中も開口でき、側方運動や歯ぎしり様の動きを許容する設計です。開口量や動き方には装置ごとの制限があります。
保険マウスピースは上下一体型ですか?
当院で扱う保険装置は上下一体型です。上下が固定されるため、装着中は基本的に開口できません。
市販のいびき用マウスピースでもよいですか?
OSASが疑われる場合、市販品だけで対応せず、まず診断を受けてください。ガイドラインでは、OSASに用いる装置は歯科医師が作る個別製作・調整可能なものが推奨されています[1]。
歯ぎしりがあっても使えますか?
使える場合があります。ただし歯の摩耗、顎関節、装置への負荷を確認する必要があります。当院の自費装置は側方運動を許容するタイプですが、適応は診察後に判断します。
効果はどう確認しますか?
家族の印象やいびき録音だけでなく、医師の指示により睡眠検査でAHIや酸素状態を確認することが重要です。
横浜・二俣川でいびき・睡眠時無呼吸をご相談ください

ふたまたがわ歯科口腔外科では、歯・歯周組織・顎関節・噛み合わせを確認し、医科と連携しながら口腔内装置治療を検討します。保険の上下一体型と、自費の開口・側方運動に対応する上下分離型について、特徴と注意点を説明したうえで選択します。
いびきがうるさいと言われた方、睡眠時無呼吸を指摘された方、CPAP以外の治療を相談したい方は、まず医科での検査状況や診療情報提供書の有無とあわせてお問い合わせください。
まとめ
- いびきに無呼吸や強い眠気が伴う場合は、OSAの検査を受ける
- 口腔内装置は下顎を前方に保持し、気道を広げる治療
- 保険診療には医科からの治療依頼・診療情報提供が必要
- 当院の保険装置は上下一体型、自費装置は開口・側方運動を許容する上下分離型
- 装置の構造だけで優劣を決めず、適応・装着感・検査結果を踏まえて選ぶ
- 装着後は歯科での調整と、必要に応じた睡眠検査による効果確認が大切
参考文献・根拠資料
1.Ramar K, et al. Clinical Practice Guideline for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Snoring with Oral Appliance Therapy. J Clin Sleep Med. 2015.
2.Isacsson G, et al. Use of bibloc and monobloc oral appliances in obstructive sleep apnoea: a randomized equivalence trial. Eur J Orthod. 2019.
3.Norrhem N, Marklund M. An oral appliance with or without elastic bands to control mouth opening during sleep. Sleep Breath. 2016.
4.厚生労働省「保険診療確認事項リスト」睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置[I017-1-2]。
ふたまたがわ歯科口腔外科 院長略歴

ふたまたがわ歯科口腔外科 院長
中谷 逸希 hayaki nakatani
略歴
・ 2006年 鶴見大学歯学部 卒業
・ 2006年 横浜労災病院 歯科口腔外科
・ 2007年 鶴見大学 口腔顎顔面外科学講座
・ 2010年 長野松代総合病院 歯科口腔外科
・ 2012年 横浜総合病院 歯科口腔外科
・ 2014年 横浜労災病院 歯科口腔外科 医長
・ 2016年 湘南東部総合病院 歯科口腔外科
・ 2018年 ふたまたがわ歯科口腔外科 院長
資格
・ 社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
・ 社団法人 日本口腔診断学会 認定医
・ 厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医
・ 国立がん研究センター がん医科歯科連携医
・ BLS/ICLS/ACLS ヘルスケアプロバイダー
・ 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
所属学会
・ 日本口腔外科学会
・ 日本口腔インプラント学会
・ 日本口腔診断学会
・ 日本有病者歯科学会
・ 日本学校歯科医会
ふたまたがわ歯科口腔外科では最新の医療機器を完備
マイクロスコープ
当院では、あらゆる歯科診療にとって進化したといわれるドイツ・カールツァイス製『歯科用手術顕微鏡』を導入しています。マイクロスコープを使用することで歯根端切除などの手術をはじめとした一つ一つの基本的な治療から、より高い精度の診療に対して優位な視覚と治療効果をもたらすことが可能となりました。

CT
純国産メーカーのCTを導入しています。座位で撮影することによりブレが少なく、より精度の高い画像を撮影することが可能です。また、撮影範囲を広範囲に設定することできるため、口腔外科疾患のみならず、レントゲンだけでは見つけることが難しい小さな病変まで診断することができます。

個室完備
インプラントなどの小手術を行うため、クリーンな個室を完備しています。個室には生体モニターも完備しており、静脈内鎮静法を併用した治療も行います。プライバシーに配慮することで安心して治療することができます。

拡大鏡
拡大鏡(ルーペ)を使用する事で質の高い治療がより容易になります。裸眼に比べて細かい部分まではっきりと目視できるため、疾患を早期に発見することが可能です。当院ではマイクロスコープと同じカール・ツァイス社製の高解像度ルーペを主に使用しクリアな拡大視野を確保しています。

ダイアグノデントペン
これまで数値で虫歯の進行状況などを診査・診断するシステムは確立されていませんでした。『ダイアグノデント ペン』は虫歯に含まれる代謝産物を読み取り数値化します。低出力のレーザー光を照射するだけなので、痛みもなく、小さなお子様や妊婦の方にも安心してご使用いただけます。”見つけてすぐに削る治療”から”進行状況に合わせて適切な管理をする治療” を行うことができます。

印象材自動練和機
印象材自動練和器を使用することで、安定した練和ができ、気泡が少なく均一な練和が可能です。再印象・再製のリスク、補綴物の調整リスクが低減し、品質が安定化できます。当院では2台ある自動練和機を症例により使い分けて使用しています。

オステルビーコン
インプラント体の安定性を非接触で測定できる装置です。磁気パルスによって安定性をISQ値(インプラント安定指数)という数値で評価することができるため、インプラントの荷重時期を客観的に計画することが可能です。

口腔水分計
口腔乾燥症(ドライマウス)や口腔機能低下症に伴う唾液の分泌低下に注目した診査、診断機器です。舌に約2秒触れるだけで簡便に数値化することができるため客観的に口腔乾燥を判断できます。

ふたまたがわ歯科口腔外科の感染対策
マイクロスコープ
当院では、あらゆる歯科診療にとって進化したといわれるドイツ・カールツァイス製『歯科用手術顕微鏡』を導入しています。マイクロスコープを使用することで歯根端切除などの手術をはじめとした一つ一つの基本的な治療から、より高い精度の診療に対して優位な視覚と治療効果をもたらすことが可能となりました。

高圧蒸気滅菌器
当院では、最新式フルオートの高機能滅菌器を導入しております。数種類の滅菌モードを搭載しているため高温に耐えられないような器具まで幅広い滅菌が可能です。高圧蒸気滅菌器をはじめとし、感染対策における環境を整備し、安心・安全な診療を行っています。

ハンドピース専用洗浄機・滅菌器
日々の診療に不可欠なハンドピース専用の自動洗浄・注油システムと個別滅菌器を完備しています。適正な洗浄プログラムと注油により、内部の汚れや摩耗粉を効果的に取り除くことが可能です。さらに専用滅菌器を使用することによって、より効果の高い滅菌を行うことができます。

ウォッシャーディスインフェクター
歯科診療で使用する器具は鋭利なものが多く、使用後には血液やたんぱくなどが付着しています。器具を確実に消毒、滅菌するためには、あらかじめ十分な洗浄が必要です。しかし、手洗いの場合、常に安定した洗浄力を確保することが難しいため、洗浄機の使用が求められます。当院では、医療用全自動洗浄機を導入しており、より確実な洗浄を実践しています。

ウルトラファインバブル水
世界初の技術で1ccに5000万個以上のナノバブルを発生させる装置を設置しました。国内最新テクノロジーとして、環境・農業・食品・水産・美容・医療などさまざまな分野で応用され注目を集めています。医療分野では人工透析センターなどでの導入が始まっています。当院の水はユニットを含む全ての水がウルトラファインバブル水となっており清潔な治療環境を提供しています。

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ふたまたがわ歯科口腔外科【本院】
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【月〜土】09:00 – 13:00/14:00 – 18:00
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横浜銀行の手前を右に入る

薬局までまっすぐ進む

薬局の前を右

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エレベーターで7階へ

7階を降りたら右手に進む
ふたまたがわ歯科口腔外科【北口院】
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【月〜土】09:00 – 13:00/14:00 – 18:00
【日・祝】休診日
アクセス
〒241-0821 横浜市旭区二俣川1-5-5 二俣川北口第二ビル6階
相鉄線 二俣川駅北口徒歩1分

電車でお越しの場合

改札出て右の北口方面へ

突き当たりを左へ

ファミリーマートの横を進んでください

歩道橋を渡ります

右へ進みます

階段を降りたら左へ

薬局の奥まで進みます

奥にエレベーターがありますので6階まで上がってきてください

ビル全体像です




