ふたまたがわ歯科口腔外科

MEDICAL GUIDE

医院について - 診療について

PREGNANT DENTISTRY

妊産婦歯科

妊娠中の治療

妊娠により、女性ホルモンが急激に増加することで歯周病細菌が増殖しやすくなり、唾液の粘性が高まることで口腔の自浄性が低下し歯肉の出血や炎症が起こりやすくなります。また、「つわり」や、胎児の発育による食事回数が増加することによって、口腔ケアが不足しむし歯や歯周疾患のリスクが高くなります。

妊娠中は、どの時期に歯科医院に通院しても問題ありません。体調がよければ定期的に歯科健診を受けることをおすすめします。むし歯や歯周病の治療に用いる局所麻酔薬の胎児への影響はほとんど無視できる範囲です。抜歯や親知らずなどの外科的治療が必要な場合には、投薬しなければならないため「妊娠中期」の方が安全です。当院では、薬剤については米国FDA、豪州ADECのカテゴリー分類に基づき、妊婦(胎児)への危険度が低い種類の薬剤を選択し投薬を行っております。

POINT

歯科のレントゲンについて、妊娠中は特に気になると思います。
一般的に用いられる小さなレントゲンでは0.01ミリシーベルト、顎全体のレントゲンでは0.03ミリシーベルトの放射線量です。
比較として、日本人1人あたりの自然放射線量は1週間で0.028ミリシーベルトです。

歯のレントゲンは首から上のみの極めて局所的な照射で、防護エプロンも着用していますのでお腹に当たる線量は0に近いと言われています。当院でより放射線量の少ないデジタルレントゲンを使用しています。

妊娠中だからと言って、薬やレントゲンを過度に心配することはなく、母体や赤ちゃんに悪いと勘違いしたまま放置すると、処置がより大変になることもあります。
気になることや、痛み、腫れがある場合は早めに受診してください。

妊娠超初期(0週~3週)

この時期は妊娠が判明する前の時期です。身体の変化がある場合や妊娠検査薬でのみ確認された方はお伝えください。ご希望があれば、当院から婦人科での精査をご依頼することも可能です。

妊娠初期(4週~15週)

この時期は「つわり」や「体調不良」で歯ブラシどころでは無い方がほとんどです。体調が良ければ治療したりクリーニングしたりすることは可能ですが、歯医者独特のにおいや口の中に器械を入れられたりすることで気持ち悪くなることがあります。痛みがある場合は応急処置を行い、妊娠中期に入ってからしっかりとした治療をすることもあります。また、妊娠初期に投与される薬剤によっては、胎児への影響が高いものがありますので注意が必要です。

妊娠中期(16週〜27週)

この時期には体調が落ち着くので、医師から特別な指示を受けていなければ、むし歯治療から抜歯まで必要な治療は問題なく行えます。妊娠中期で歯のトラブルはすべて解消しておきましょう。

妊娠後期(28週~40週)

この時期も通常の治療を行うことは可能ですが、治療などで仰向けに寝ると大きなお腹が下大動脈を圧迫し、急激な血圧低下、呼吸困難やめまい、嘔気などの「仰臥位低血圧症候群症状」が現れることがあります。また、臨月に入ってからはいつ陣痛が起きてもおかしくないので、健康な人も控えたほうが安心です。急を要さなければ出産後の治療をお勧めしています。

POINT

妊娠中に忘れないでほしいこと

  • ①妊娠していることを伝える
  • ②母子手帳を持参する
  • ③産婦人科の先生に相談しておく
  • ④無理せず通院する
  • ⑤楽な体勢で治療を受ける

産後の治療

産後、授乳中の歯科治療についての制限は特にありません。

しかし、妊娠中と同じように薬については、赤ちゃんへの影響が気になるところです。お母さんが薬を内服すると、ほとんどの薬は母乳中に移行するといわれています。

しかし、ほとんどの薬は「母乳中に移行するが、その量は非常に少ない」のです。実際に赤ちゃんが薬の入った母乳を飲んで、赤ちゃんの血液に届いて、赤ちゃんの体のどこかに薬が働くにはたくさんの道のりがあります。この道のりを経て影響を起こすお薬はとても限られています。当院では、産後の投薬については母乳移行性を考慮したMedications & Mothers' Milkの基準に基づき、より安全性の高い薬剤を選択し投薬を行っております。

また、生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には細菌が存在していません。むし歯菌は母子感染であることが知られています。お母さんやお父さんの口移しやスキンシップにより、唾液を介してむし歯は移ります。しかしそれらをやめて、むし歯菌を絶対に移さないということは不可能です。赤ちゃんにむし歯菌をなるべく移すリスクを低くする一番大切なことは、両親の口腔内を清潔に保つということです。

当院では、妊産婦さんと正しい知識を持って安心して治療を受けれるように、横浜市妊婦健康診査費用補助券を使用した妊婦健診の実施やサポートをしています。母子健康手帳を受け取ってから体調の良い時期にご連絡ください。当院はバリアフリーで通路を広くとってありますので、産後にはベビーカーに子供を乗せたままお母さんやお父さんの診療をすることが可能です。診療室内にはキッズスペースを設けていますので、ご自身の健康を遠慮することなく、気兼ねなく通院できる環境を整えております。